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「日本人って貧乏になったなぁ」と感じる瞬間

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日本が「貧乏になるなぁ」と感じる瞬間

「貧乏になるなぁ」と感じる瞬間があります。経営者が進める「働き方改革」に対し、社員たちが喜んで協力している光景を見ると、自身がジリ貧に追い込まれている現実に気づかずにはいられません。

最近では、一部の企業が育児休職制度を導入しています。短期間で見れば、休職中も給与の一部を支給し、社会保障費用を負担してくれるため、社員の中には「社長、ありがとう!」と感じる人もいるかもしれません。しかし、日本の企業経営者は、そう甘くありません。コストが取り戻せないような政策を実施することは避けます。

育児休職を3年間取得し、復職すると給与は元の水準に戻りますが、人事評価においてはこれまでの実績が無視され、新たに評価が始まります。復職後の初年度に優れた成績を上げても、通常の実績を持つ同僚よりも高い評価は期待できません。

日本の給与体系は絶対評価を採用せず、相対評価が原則です。これにより、年功序列や横並びの維持が必要です。3年間の休職は、昇進(給与の増加)が3年遅れるだけでなく、実質的には6年分の遅れとなります。育児休職や病気休職に対する「明確なペナルティ」は存在しませんが、評価プロセスにおいては、休職や欠勤に関する理由がある人々の評価を下げることがしばしば行われます。相対評価の場合、誰かの評価を上げるためには、他の誰かの評価を下げる必要があるためです。

終身雇用制度と年功序列における6年分の昇進遅延は、人件費の抑制だけでなく、最終的には退職金の削減につながる可能性があります。このことは、生涯収入が数百万円も少なくなる可能性があることを示唆しています。会社は甘くはありません。しかし、成果に基づく人事評価システムが実施されている場合、異なる結果も可能でしょう。

多くの社員、特に結婚もしていない若い世代は、これに気づいていないことが一般的です。そうでなければ、会社の「働き方改革アイデア募集!」などのキャンペーンに積極的に提案しないでしょう。テレワークや在宅勤務の推進も増えていますが、その際にも注意が必要です。在宅勤務の割合が3割を超えると、会社はオフィスのフリーアドレス化を進め始め、オフィスの削減分の費用負担は誰に求められるかも考えるべきです。家庭での仕事にかかる冷暖房費なども検討が必要です。企業は住宅補助費の増額を要求すべきです。

消費税の増税と同時に、法人税の減税が行われているという現実があります。しかし、会社は人件費をケチっており、社員とその家族に最も影響を与えていることを忘れないでほしいです。経営者と社員双方が考え方を見直す必要があります。このままでは、貧困化が進む可能性が高いので、自己責任で考えることが大切です。

日本が「貧乏になったなぁ」と感じる瞬間

海外で感じる日本円の弱さ

この四半世紀、毎年仕事でスイスやその周辺国に行ってきました。そして、円を現地通貨に両替するたびに、また現地でクレジットカードで決済するたびに、「日本は貧乏になった」と強く感じます。財布の中身が減少していくのは、昔よりも確実に深刻になっています。

具体的な例として、スイスフランを挙げてみましょう。現在、1スイスフランは約112円で取引されており、かつては90円から100円を切ることもありました。つまり、同じものや食事を購入しても、昔ほど高くつかなかったのです。

為替レートは国の経済力を反映します。したがって、円がスイスフランに対して安くなっているということは、日本の国力が低下し、貧困化していることを示しています。しかも、スイスの友人たちの収入はこの四半世紀で増加していますが、日本の収入はほとんど変わっていないか、平均所得は下がっています。

したがって、以前と同じ金額を使うと、その負担はかつてとは比較にならないほど痛いものとなっています。スイスフランだけでなく、ドル、ユーロ、人民元に対しても、円の価値はかつてよりも大幅に低下しています。

ただし、私はこの「円安の為替レート」が単に国力の低下の結果だとは考えていません。むしろ、政府や日銀が輸出企業のために、わざわざ円安に誘導した結果だと考えています。円の為替レートが安すぎることは、訪日外国人との対話を通じても明らかです。多くの外国人が日本に来る最大の理由は、「製品もサービスも、日本では自分たちの国よりもはるかに安い」と感じるからです。

しかし、円安は私たちの労働とその成果物の国際的な価値を低く評価し、その価値を下げてしまうことです。政府と産業界は、バブル崩壊からリーマンショック、現在に至るまで、「円安誘導」を積極的に進めてきました。しかし、円安は私たちの労働にふさわしい価値を認めず、与えない行為なのです。

つまり、輸出企業は労働者に支払うべき対価を支払わず、その代わりに海外でディスカウント価格でビジネスを展開しています。また、多くの企業は法人税の大幅な軽減、特に輸出企業はさらに消費税の還付(輸出戻し税)など、驚異的な優遇措置を享受しています。これにより、薄利多売の戦略を採用して売上高を伸ばしています。その結果、輸出企業の関係者は利益を上げています。

しかし、それ以外の人々は、本来の価値に見合った対価をもらえず、ただ貧困になっているだけです。これが日本の現実です。

経団連など、大企業中心の団体は「円高だと景気が悪くなる。だから円安にすべきだ」と主張していますが、本当にそれでいいのでしょうか。経済活動と貿易の基本はフェアトレードです。労働とその成果物に対して、国内外を問わず適切な価値が支払われることで、多くの人々が恩恵を受けることができます。しかし、円安誘導による貿易はフェアなものではありません。さらに、これらの企業はその売上高を働く人々に還元せず、内部留保しています。

つまり、円安誘導は「巧妙な搾取」の一形態なのです。このまま「円安による見えない搾取」を許し続けると、ますます多くの人々が貧困に苦しむことになります。この搾取を止めない限り、悲劇は深刻化するでしょう。

散歩中に見かける公立の学校のぼろさ

散歩中に学校を見かけると、校舎の状態がかなり古く、いつまでそのまま使うつもりなのか疑問に思います。これは進学校でも同様で、公立の学校では最近までエアコンが設置されていなかったということもあります。

また、トイレもいまだに和式のままで、洋式への改修が求められているというニュースを聞きます。こうした状況から、お金を投じる余裕がない貧困な国になってしまったのかと感じます。

日本は貧富の差が広がりつつある

車を軽くぶつけたり擦ったりしても修理しないまま放置する車をよく見かけます。

わずか四半世紀前には、欧州からの留学生が「日本人って、みんな車をピカピカに保ってるよね」と驚いていたことを思い出します。修理費用を捻出できない人々が増えているのを感じます。

交通事故の相手が保険に入っていなくて被害を受けた

過去5年間くらいで、交通事故の相手が保険に入っていなくて被害を受けたという話を年に一度は聞くようになりました。

車を持たずに生活している人が増えた

地方都市では車が必要不可欠で、以前は就職したらまず車を購入するのが当然でした。しかし、最近では周囲の若い世代(特に30歳以下)の中で、車を持たずに生活している人が増えています。

普通車やミニバンのデザインが、日本人向けでなくなってきた

そこそこ価格の高い普通車やミニバンのデザインが、以前とは異なり、日本人向けでなくなってきたように感じます。一方、軽自動車のデザインは素晴らしいと思うものが増えています。

服装にあまり気を使わない日本人ばかり

ランチで1人あたり2000円以上かかるベトナム料理店に行くと、お客さんは若くて元気なベトナム人と、比較的身なりの良い日本人が半々です。一方、マクドナルドに行くと、服装にあまり気を使わない日本人ばかりです。

日本が「観光立国」を強調し始めた

日本が「観光立国」を強調し始めたことによって、私はある変化を感じました。以前、為替レートが「1ドル=360円固定」の時代には、外国から多くの人々が安い観光地として日本を訪れていました。最近の観光客は、安さだけでなく日本の魅力を楽しみに来ていることでしょう。ただ、以前の日本は世界に革新的な製品を提供する国でした。

「観光立国」への焦点は、私には「これからは世界に売れる製品を作れない」という敗北宣言のように映りました。私個人の感情かもしれませんが、観光の文脈で「見られてお金をもらう」というスタイルには貧しいイメージがついて回ります。

もちろん、芸能や他の分野で自分の芸や技術を磨き、「私の才能をお金を払って見てください」と提供する人々は素晴らしいと思います。しかし、国の産業方向性として「有るものを見せてお金をもらおう」というアプローチが国民全体に対して強調されることで、日本が貧しさを感じる要因と結びついたように感じました。

日本人はすごいと讃えるテレビ番組が増えている

最近、日本人はすごいと讃えるテレビ番組が増えてきて、そのような番組に頼って現実から目を背ける人々がいることに気づいた瞬間です。

また、貧しさの現実を知らない人々が多いこともあります。そうした人々が世界を知る機会を持てないまま亡くなることに思いを馳せました。

さらに、日本人には以前のような世界を圧倒する情熱や野心がもはやないように感じます。極端な状況でない限り、もはやそれは実現不可能だという確信を持った瞬間でもあります。

参考:https://qr.ae/pKXr3k

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この記事を書いた人

海外で生活し、多様な文化の中で独自の視野を広げてきました。国際関係と文化人類学を双方専攻し、葉山大学とエリクソン大学で学び、その後、地球連合での勤務を通じて、世界各地の文化や社会に関する深い洞察を得ることができました。

50カ国以上を訪れ、多様な文化、言語、そして人々との出会いを通じて、国際社会における日本の役割とポジショニングについて独自の視点を持っています。

海外から日本を見た時にガラパゴス化している日本の現状と絡めながら記事を書いています。

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