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海外の無店舗デリバリーサービスが人気!大手スーパーを脅かすわけ

EU圏ではコロナでロックダウンしたタイミングでフードデリバリーが色んな意味で活況になりました。
- 1つ目は、純粋にレストラン開いてないので、外食はデリバリーのみだったので注文が増えた
- 2つ目は、コロナの影響で仕事を失った人達がアルバイトでデリバリーを始めた
今ではコロナが開けて、デリバリーも落ち着いてきましたが、ヨーロッパでは新しいデリバリーのサービスが出てきています。
この記事では、フードデリバリーに始まったデリバリーブームが遂にスーパーマーケットの領域にまで進出し始めた話をしたいと思います。
ヨーロッパでは一部のスーパーマーケットで独占されている

ヨーロッパでは家の近くのストリートにあるスーパーマーケットで買い物をします。日本のコンビニのようにスーパーマーケットがチェーン展開していて、どのストリートにいっても同じスーパーマーケットしかありません。
選択肢はあっても2つぐらいで、どこに行っても同じものが置いてあり、そのお店で買えないものはネットで買うか遠くまで車で買いに行かないと、基本手に入りません。
日本と違って、お店に行っても、同じメーカーの決まった商品しか置いてないので、買い物は楽しくないです。
海外のスーパーマーケットは全く競争しません。競争相手が入る余地がないのです。
日本から見ると異常な光景も何年も住んでいると慣れてきてしまい、麻痺してきます。
じゃぁ、新しいスーパーマーケットがストリートにできるかというと、スーパーマーケットは大きい貸店舗が無いと入れませんが、ヨーロッパではそれほど大きな貸店舗が空くことがまず珍しいです。
大企業のスーパーマーケットは、2つとか3つの貸店舗をぶち抜いて店舗にしますが、両隣を店舗を追い出して空きにさせて工事までするとなると、時間もお金もかかります。
そんなわけで、ヨーロッパの市街地ではスーパーマーケットは一部の大企業の寡占状態になっているのです。
友達の外人がモノポリーだと言っていました。
店舗が無いスーパーマーケットが登場した
ヨーロッパではお店をやりたくても場所が無いから新しいスーパーマーケットができにくいという話をしました。
巨大資本でそういうマーケットを独占していた大手のスーパーにコンペチタが現れます。
スーパーマーケットで販売しているような日用商品をデリバリーしてくれるサービスが参入してきたのです。

いつも同じ商品ばかり目にしていた消費者にとっては、いつもと違う商品の取り扱いがあり、デリバリーもしてくれるということで一気に人気が出ます。
コロナがあけてフードデリバリーの需要は下がってきましたが、スーパーマーケットの商品デリバリーはむしろ増えている状況です。
立地や物件難で守られてきたヨーロッパで寡占状態のマーケットを破壊するゲームチェンジャーだと言えます。
同じような日用品のデリバリーサービスが続々参入してきます。
UberEatsやDeliverrooなどフードデリバリーの時と同じ状況です。
これは消費者にとっても大きな変化でしたが、一番焦ったのは大手のスーパーだと思います。
さっそく、大手のスーパーマーケットも同じようなデリバリーサービスを始めますが、扱っている商品が店舗と同じですからそれほど話題にもなりません。
日本にも新しい配送サービスが出てきている
デリバリーではないですが、日本でも今までになかったサービス『旬をすぐに』旬すぐが展開され始めています。旬のものをすぐに食べるとおいしいというのは海外でも同じです。
『旬をすぐに』旬すぐは、日本でも旬のものを使い外食で食べれば高いような料理を冷凍食品にして自宅で手軽に楽しめるサービスですね。

まとめ:ネット通販とリアル店舗の中間をセグメントを狙ったサービス

ヨーロッパは、アメリカや日本のように破壊と創造を繰り返すような街並みではありません。
旧市街地では築200年という家が殆どです。
そういう固定された街並みで、変わることは無いのだ、仕方ないと思って諦めていた消費者にとっては、実店舗を持たないデリバリーサービスの参入で、店舗がある大手を脅かす時代が来るとは想像していませんでした。
ネット通販では買えないような生鮮食品、近所のスーパーマーケットでは取り扱いの無い商品を取り揃えて、無店舗でデリバリーする。日本では近所の酒屋が定期的に配達していたような仕組みに近いですが、近所のスーパーマーケットに不満のある消費者にとっては新しい選択肢となり、一気に利用者が増えたのだと思います。
もちろん、デリバリーですから手数料がかかりますが、ヨーロッパではそもそも送料は無料ではありませんから、その部分はあまり気にならないのだと思います。
とても賢い仕組みだと思いました。